2022年度後期現代研究会発表7 易経の占術(占筮法<せんぜいほう>)

2022年度後期現代研究会発表7

易経の占術(占筮法<せんぜいほう>)

2022年10月29日

岩崎マリナ

「易占い」という言葉や存在を知っていても、その占術まで知る人は少ない。

大抵は、‟街頭で易者が長い棒をジャラジャラと扱い吉凶を占う“というイメージで、「胡散臭い」「吉凶がわかるのは怖い」などと感じている人も多いのではないか。易者の持つ「長い棒」の名称や本数・どのように扱っているのか・どうやって吉凶を読み解くのかと聞かれて答えられる人は少ないどころか、むしろ「当たるも八卦当たらぬも八卦」という言葉があるように必ずしも的中するものではないと捉えられているように思う。

しかし実は、「易占い」とも言われる「易経」は古代中国に起こった重要な学問である。

自然界のあらゆるものは「陰」と「陽」の二極から成り立ち、「陰」「陽」の中にもさらに「陰陽」があるという思想が《乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤》という8つの要素を生み出した。この8つが「八卦」であり、自然界・人間界の象意を表すものとされている。

天地があってこの世界が成り立つところから、八卦を2つ合わせた64の組み合わせ(8×8=64)が人生における様々なシチュエーションを意味し (諸説あり)、易占いはこの64卦を用いて事象を読んでいくものなのである。

「易占い」にはいくつかの占筮法(せんぜいほう)がある。

まず、大まかにわけて‟道具を使う方法“‟道具を使わない方法”があり、多くの人のイメージある「長い棒」を使った占術法は‟道具を使う方法“の一つになる。

「長い棒」の正式名称は「筮竹(ぜいちく)」といい、本数は全部で50本。この50本を捌きながら64卦の中の一つを導き出し、事象を読む。

その捌き方には「本筮法」「中筮法」「略筮法」という3種があるが、違いは筮竹の操作の回数で、八卦を組み合わせて事象を読むことに変わりはない。

‟道具を使う方法“には、他に易サイコロやイーチンタロット(易カード)などもある。

‟道具を使わない方法“は「梅花心易」と呼ばれ、目の前に起こる様々な兆しを読み取り、それを卦に当てはめていく占術である。

いずれにしても、こうした「易占い」はあくまでも「その時の問い」に答えるものである。

吉凶がハッキリするのは「その問い」に対しての「吉」または「凶」であって、人生全てを肯定するものでも否定するものでもないことを知れば、悩んだ時の指針の一つとして活用できるのではないか。

現代研究会

「文化と社会に関する様々なテーマ、諸問題を取り上げ、過去から未来への歴史的視野で考察し、議論を行う」ことがこの研究会の目的です。