2021年度前期現代研究会発表16 課題としてのボンヘッファー
2021年度前期現代研究会発表16
課題としてのボンヘッファー
2021年7月24日
吉田秀登
ナチス政権時代(1933~45)のドイツでは一党独裁のもと、圧政に抵抗した人びとがいた。キリスト教界でもナチスに抵抗した人物がいたが、今回、皆様にご見解を伺ったのは、ディートリヒ・ボンヘッファー(1906~45)を中心としたナチス政権下のプロテスタント系の聖職者たちの行動についてであった。過酷な政治局面下で政治と宗教が特別な緊張関係に陥り、個人の信仰や決断が根底から問われる中、個人として彼ら聖職者はこの課題をどう考えたのか、そして今日、われわれはその歴史から何を学ぶべきなのか、という点について会員の方々に意見を伺った。弾圧や戦争に対して宗教はどのようなオルタナティブであり得るのか? 世俗権力に対して宗教はどのような姿勢を持つべきなのか? 宗教者は世俗権力に対してその存立や営為の是非を判断してよいのか? もしこれが良いなら、何を公準とすべきか? もしこれが良くないのならば、宗教人は世俗権力に沈黙しておくべきなのか? という諸問題についてご意見を伺った。
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