2020年度後期発表12 アニメと宗教︓⽇本⼈の宗教に対する姿勢を考える

2020年度後期発表12

アニメと宗教︓⽇本⼈の宗教に対する姿勢を考える

⼩村明⼦

2021 年 1 ⽉ 16 ⽇発表要旨

本発表では、アニメ作品内で実在する宗教の聖⼈や宗教事物などを使⽤する現状およびこれまでにアニメに宗教事物を使⽤したことによって起きた事件を取り上げて、⽇本⼈の宗教性について分析および考察することを⽬的としている。

先ずは、近年アニメ作品内でどのように宗教の聖⼈や宗教事物が扱われているのか、事例を取り上げる。⼀昔前ではアニメは幼少期の⼦どもが視聴対象であったが、近年では⼤⼈向けにも製作され、更には世界観を重要視した内容であるものや地域活性化を⽬的とした作品など多様化し、これまでに数多くのアニメ作品が⽇本で製作されるようになった。その中には、様々な実在の宗教を題材にし、また宗教を象徴する宗教事物を作品内で使⽤して、宗教とは全く関係のない趣旨で話が展開していく作品も多々⾒られるようになった。

だが、本来ならば宗教を象徴するものを宗教に全く無関係な趣旨で使⽤することは信徒の信条に障ることにもつながり、注意を要することでもある。事実、⽇本のアニメ作品で宗教事物を扱ったために実際に問題となった事例が複数存在する。発表では、実際にどのような事例があったのか取り上げる。また、宗教事物を扱うアニメや漫画が問題とならないためにどのように対応しているのかも紹介する。最後に、なぜそのような問題となったのか、根本原因について分析を重ねて、⽇本⼈の宗教性について考察を試みる。

現代研究会

「文化と社会に関する様々なテーマ、諸問題を取り上げ、過去から未来への歴史的視野で考察し、議論を行う」ことがこの研究会の目的です。