2018年度前期発表3 アニメと宗教 その1
2018年5月5日(土)第2回現代研究会にて、「アニメ・漫画と宗教」というタイトルで、発表をした。
まず問題提起として、アニメ・漫画と宗教を論じるのに、その多くが観光人類学からアプローチされている点が挙げられる。というのは、アニメや漫画の舞台となった場所にファンが訪れるようになって観光地化され、結果として経済効果を生んでいるからである。アニメや漫画の舞台となることは地域づくり・街づくりに欠かせない要素であり、それゆえに地域社会学からの視点から論じることも出来る。では、宗教人類学からの視点では、この事象を論じることは可能であろうか。その可能性を探るために、アニメ・漫画と既存宗教との関係を調査した。
現状として、発表ではアニメにおける聖地巡礼の事例をいくつか取り上げた。中でも忘れてはいけないのが、聖地巡礼現象の原点とされる埼玉県久喜市にある関東最古の神社といわれる鷲宮神社である。この神社は、アニメ「らき☆すた」の舞台となった。神社境内の絵馬掛け所には、アニメのキャラクターが描かれた絵馬をところどころに見ることができる。
神道や仏教の神自身を登場させているアニメや漫画も多数存在する。神をいかに表しているかといえば、その時代に応じた様相、とりわけ若者文化との一致を見ることができる。例えば、神道の神である大国主命は現代の若者文化で見られる「イケメン」でかつ「チャラ男」として描かれ、天照大神は神としての威厳さや神々しさはなく、どこにでもいるようなおっとりした女性として描かれている。
その2に続く
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